Blue Diamondは、各生産者の収益を最大化するためには、新しい製品を開発するだけでなく、最高の効率でオペレーションを行必要があると考えていました。 この戦略的イノベーションへの取り組みが、煩雑で分断された手作業のプロセスから、SAP、project44、XpertMindsによって支えられた完全にデジタル化されたサプライチェーンへの変革を推進する重要な要因となりました。
課題
Blue Diamond Growersの主な目標は、バラバラで手作業で行っていた需要・供給・ロジスティクスの計画プロセスを完全にデジタル化し、企業全体で単一の「信頼できる情報源（Single Source of Truth）」を提供し、さまざまな方法で効率を向上させることでした。
この必要性が生じた背景には、3億ドルもの規模のBlue Diamond社のサプライチェーンおよびロジスティクス業務を、分散したドキュメント、スプレッドシート、プロセスの寄せ集めで管理していたという実態があります。 この煩雑なシステムは、販促シナリオの計画、ロジスティクス・リソースの確保、注文状況の確認など、すべての業務において時間を要し、エラーが発生しやすい手作業のプロセスに依存していました。そのため、シナリオのシミュレーションを行う機会がほとんどなく、カスタマーサービス担当者（CSR）が注文に関する重要な情報を正確かつ迅速に把握することがほぼ不可能な状態でした。 時には、CSRが顧客の問い合わせに対応するための情報を収集するのに数日を要することもありました。
この混沌とした環境の問題点は、新型コロナウイルスのパンデミックによってさらに浮き彫りになりました。サプライチェーン全体で供給と需要の急激かつ大きな変動に直面し、加えて、輸送リソースの不足や信頼性の低下にも苦しむことになったのです。 例えば、貨物を確保するためのリードタイムは、約3週間から5カ月へと大幅に延び、 また、新しい販促キャンペーンを計画するリードタイムも2カ月から5カ月へと倍増しました。 これらの問題と手作業による旧来のプロセスが相まって、Blue Diamond Growersは需要に対してコスト効率よく安定的に対応することが困難になっていました。
このような状況から、Blue Diamondは完全にデジタル化されたサプライチェーンへの移行が急務であることを認識し、 2014年から協力関係にあったERPソフトウェアのリーダーであるSAPに支援を求め、世界クラスのサプライチェーン・ソリューションの構築に着手しました。
ソリューション
Blue Diamond Growersが、サプライチェーンおよびロジスティクス向けSAP導入の専門パートナーであるXpertMindsと共に導入を決定したのは、SAP Transportation ManagementおよびSAP Business Network for Logisticsでした。さらに、SAP Business Network Global Track and Traceとproject44を統合し、必要不可欠となる可視化データを接続することで、このソリューションを強化しました。 この新しい機能は、すでに導入されていたSAP Integrated Business Planningソリューションと組み合わさることで、需要と供給からロジスティクスに至るまで、Blue Diamondに包括的な計画ソリューションを提供し、顧客体験を向上させることを可能にしました。
このソリューションは、計画およびロジスティクスプロセス全体をカバーする単一の「SSOT: 信頼できる情報源」を提供するよう設計されています。 さらに、より迅速かつ柔軟な計画を可能にし、ボトルネックや不足を排除するために特化されています。 これらの効率向上が相互に作用することで、計画の俊敏性とカスタマーサポート機能が改善されました。
成果
この結果、Blue Diamondは最も重要な目標を迅速に達成することができました。
1. 企業全体での「SSOT: 信頼できる唯一の情報源」の確率
新しいソリューションにより、需要、供給、製造、ロジスティクスのすべてを統合した計画が可能になりました。 組織全体で単一のツールを活用して貨物を確保し、統一された情報基盤を確立。 これにより、カスタマーサービスの問い合わせに対して迅速かつ容易に対応できるようになりました。 同時に、サプライチェーンの可視化が向上したことで、供給や貨物輸送の問題による在庫不足を排除することが可能となりました。
2. より迅速で柔軟な動的プランニング機能
新システムの導入により、Blue Diamond Growersの計画担当者やサポート担当者は、需要を適切に予測し、供給のギャップを特定・解消し、輸送の混雑を未然に回避できるようになりました。 以前は、ロジスティクス計画業務や更新管理を行うために、ロジスティクス担当者が複数のキャリアのウェブサイトに1日何度もアクセスしなければならなかったのに対し、 新しいソリューションでは単一のプラットフォームで管理できるようになり、貨物の計画と管理にかかる時間が大幅に削減されました。
3. サプライチェーン可視化と計画ツールの向上
企業全体を統合して見ることができるようになったことで、供給や海上輸送の問題による在庫不足を解消できるようになりました。 この可視化の向上により、カスタマーサービス担当者は顧客に対してより適切で迅速なアップデートを提供できるようになりました。
4. 業務効率の向上と人的リソースの最適化
SAPとproject44のソリューションを導入したことで、Blue Diamond Growers の ITチームがサポートするシステムの数は5から1に削減され、IT部門の業務効率が大幅に向上しました。 さらに、計画部門では、新システムにより、従来の作業で中心的だったマニュアルのExcel作業を排除し、社員がプロダクトマネージャーや専門家としての役割に集中できる環境を整えることができました。
100万ドル
可視化とリードタイムの向上により、100万ドルの年間輸送コスト削減
95%
シナリオ計画時間の短縮
99%
顧客注文の充足率 – 業界平均89%に対し、99%を達成
10%
予測精度の向上 – 10%改善
20%
手持在庫の削減 – 75日分から60日分へ短縮（20%削減）
Blue Diamond Growersについて
Blue Diamond Growersは、1910年に設立された世界最大のアーモンド加工・マーケティング協同組合です。 このグローバル企業は約3,000の生産者を代表し、75カ国以上に輸出しています。
